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〜8月2日


大通り公園にて

すっかり友達の家におじゃまさせてもらってしまったが、いよいよ東京に向けて帰ることにした。今夜遅く出発する札幌発函館行きの夜行列車にはだいぶ時間がある。まだ日も高いので、しばらく札幌の街をぶらぶらすることにした。

今夜は「すすきの祭り」があるということで、それまでの時間は大通り公園で散歩でもしようと思い寄ってみる。噴水が点在し、芝生が敷き詰められた公園には、家族連れやカップルが大勢集まって、昼寝をしたり、ゲームをしたり、酔っぱらっていたりしている。湿度の少ない過ごしやすい気温に眠気を覚えた僕は、テレビ塔にほど近いある一角の芝生に腰を下ろし、カバンを枕にしてウォークマンを聞きながら、しばしの昼寝を楽しんだ。雑誌を顔に乗せて目をつぶると、瞼の裏に緑色の残像がひろがった。なんて気持ちがよいのだろう。心地よい微風が絶妙にシャツの隙間を通り抜け、花の香りを運んでくる。

太陽が西に傾き始めたころ、僕は目を覚ました。花魁道中(おいらんどうちゅう)を見物するために、すすきのに向かって歩き出す。こうやって足を使って歩いてみて、改めていい街だと感じる。冬は大変なんだろうけど。

花魁が行進する道の脇は大勢の見物人でごった返しており、少しでも近くで見物できるようにと敷物を広げての陣地争いが繰り広げられている。僕も酒屋に入って缶ビールを2本ほど買い込み、歩道の隅の一角に荷物を置いて、花魁行列の来るのを待った。周りの見物人たちは、すでに酒も手伝って盛り上がっている。着物を着飾ったお姉さんたちがいっぱいいる。屋台が並び、人が並ぶ。すすきののネオンが妙にきれいに見える。やっぱり夏の夜祭りはいいなあ。

花魁道中の行列がゆっくりと近づいてきた。フラッシュが光りまくる。独特の音楽に合わせて、独特の足取りでゆっくりと進んで行く。花魁達が通り過ぎるときは周囲から拍手が沸き起こる。

一通りのものを見物して満足した後、JR札幌駅に向かうため地下鉄に乗り込んだ。


JR札幌駅にて

快速ミッドナイトに乗り込むべく札幌駅の改札をくぐる。座席指定が取れなかったので、しばらく前からホームに並んでおく必要があるのだ。ジュースとたばこをキヨスクにて買い込んでホームに出てみると、すでに何人かの人達がホームに腰を下ろして並んでいた。

1時間半ほど並んでいただろうか、ディーゼルカーがゆっくりと入線してきて、僕の前に国鉄色のキハ56が止まった。この列車に乗れば明日の朝には函館だ。乗車扉が開く。どちらかというと列の前のほうに並んでいたおかげで、焦らずとも席を確保することが出来た。座席は昔と同じままのクロスシートで、僕は進行方向右手窓側に座る。結構な人数が乗り込んできた。大きなボストンバックを下げた小柄な女の子が僕の向かい斜め前に座った。さらにもう2人の客が同じボックス内に座り、かなり混雑した状態で、列車は札幌駅を出発した。


車内にて

僕のとなりの客は次の駅で下車していった。次に、前に座っていた男性客も席を立った。なるほど、札幌に職場を持つサラリーマンやOLなどの帰宅列車でもあるわけだ。走り始めてから数十分後には、かなりの人たちが下車していった。といっても空いていると言えるほどではない。デッキや通路に座り込んでいる人達もいる。だがこのボックス席には僕と、小柄な女の子の二人だけとなった。眠くもないし、彼女も暇そうにしていたので話をする。彼女は大学生で、今回は東京への帰郷もかねて友達の家へ遊びに行くところだという。結局函館に着くまで眠れず、彼女とおしゃべりをしたり、本を読んだりして過ごした。


帰り道

快速ミッドナイトを下りて、来たときに仮眠した例の待合いコーナーへ彼女と一緒に進む。快速海峡号が来るまで暫しの休憩だ。お互いの荷物を見ながら、順番に土産物などの買い物をおこなう。相手がいると、こういう時に非常に助かる。張り合いもあるし気が楽だ。

いよいよ海峡トンネルが近づいてきた。このトンネルをくぐると、僕が生活している本州になってしまう。もっと北海道にいたかった。青森からは乗る列車が違うため、ここで彼女とさよならした。いよいよ現実に戻らなければならないのか・・・。


途中で勤め先に電話を入れて、会社を辞める決心がついたことを同僚にうち明けた後、殆ど車内では眠っていた。ここから先の記録は殆どつけなかった。したがって、この文もここで終わりとなってしまう(^^;)。行きと同様いくつもの列車を乗り継いで、最後に京浜東北線へ乗り換えたとき、時刻は零時をまわり、旅行は終わった。

でもストレスの解消になったし楽しかったので、またやるつもりだ。

長々と読んでくれてありがとうございました。

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